トッププレーヤーの意識

テニスへの考え方を学ぶ

過酷な試合に打ち勝つトッププロの選手たちはどのようなメンタルの持ち主なのでしょうか。
それぞれ皆、特別な考えを持っていたり、その考え方に勝ち抜く理由が隠されているような気がします。

彼らの意識や言葉に目を向けることで、私たちは試合に挑み続ける選手たちのメンタルについて気づかされることがあります。

テニスの上達にはもちろんですが、その意識を読み解くことで「生活や仕事」そのほか「プライベート」にも役立てることができるのではないでしょうか。

『ラファは僕を強くしてくれる。彼との試合はテストなんだ』

これは世界中に多くのファンを持つトッププロ「ロジャー・フェデラー」がライバルであり、彼との重要な関係性のある「ラファエル・ナダル」への言葉です。

フェデラーはライバルであり戦友のラファエル・ナダルに対して自分との関係をこのように話しています。

当時、237週連続世界ランキング2位だったロジャーフェデラーがナダルにその座を譲ることになった際も
「ひどいプレーをして王座を譲るのは嫌だった。ラファが苦労して王座になったことは嬉しい。ラファは王座にふさわしい」と称賛しました。

テニスはもちろんですが、仕事や学校生活などでライバルの存在は大きいです。

ライバルを作り、一緒に成長し称賛し合える関係でいることは自分への成長にもつながります。

テニススクールで同じクラスで一緒に成長していける仲間がいること。
学校の部活動やサークル活動で負けたくない!と共に競い合っていける人がいること。
仕事でも「共に成長、ずっとライバル」の存在は自分を大きく成長させてくれます。

『準決勝を戦うときには間違いなく相手にも失うものがある』

フェデラーはコートの中だけではなく、会場で起きていることすべての事象を理解し日々を過ごしているようです。

これは2019年3月、ドバイ選手権で準決勝を戦った若手のシャポバロフと対戦したときフェデラーの言葉です。

多くのテニスファンは“若者には失うものはないだろう”と口にしますがそのときフェデラーはこの言葉を残しています。

『準決勝を戦うときには間違いなく相手にも失うものがある』

1回戦2回戦の試合を勝ち抜くごとにロッカールームには静寂の比率が高まると言われています。
それとは逆に試合会場は徐々に熱気が込められていきます。

大会が終盤に行けばいくほど選手の数が減り、メディアやファンの取り上げる話題が少なくなります。
そして若手シャポバロフ・デニスのような選手に注目が集まるのです。

メディアから注目されるたびに自分を語り、プレッシャーが彼らを襲うとフェデラーは言っています。
また、若手と戦うときの心構えとして「相手のミスを誘うこと」と「自ら仕掛け、自分のバランスを保つこと」を意識していると言っています。

チャレンジャー側である選手にも戦って失うものがあるんだときちんと理解している言葉です。

シャポバロフ・デニス

『数字を追わずに、プレーを楽しむ』

人々はどうしてフェデラーが情熱的なテニスでコートに立てるのか不思議がります。

これはドバイ選手権で100回目のタイトルを獲得したフェデラー選手が語った言葉です。

『数字を追わずに、プレーを楽しむ』

フェデラーは「昔の方が練習で自分を追い込むことは難しいかったし、情熱を注げているのはそのあとのことだった」と話しています。

若いころは練習でどれだけのボールを打てばいいのか見通しが立たなかったと言うフェデラーは、
逆に今となってはどれくらい努力すれば自分の満足いくボールを打てるようになるかが分かるし、
大勢のファンとの交流を感じながらプレーできる楽しみにが分かっている、と断言します。

テニスでの出来事を自分の内面にも熟知させトッププロ選手との対戦でも新顔との対戦でも純然たる楽しみで迎えているのです。
その結果、彼の100回目のタイトルは通過点でしかないことになり純粋に楽しみながらツアーに望めていることになりました。

誰もが“マイルストーン”として特別な意味付与したがる100という数字ですら、フェデラーにとっては「新たな始まりでしかない」という彼の揺るぎない心理で獲得していけるのでしょう。

フェデラーの哲学から学ぶ

ロジャー・フェデラーの世界観を知ることでテニスだけではなく仕事やプライベートでも多くの影響があることと思います。

ライバルを持ち、称賛し、自分の内面を知ることで新しい世界が見えてくるというわけです。

自分のプレースタイル(仕事や勉強、生活)を知り、向き合うことで王者に輝き情熱を絶やさないプリンス、フェデラーの哲学に近づけるのではないでしょうか。

皆さんも世界王者としてその名を轟かせたロジャー・フェデラーの哲学から今の生活に少しプラスをして輝かせてみてはいかがでしょうか。