テニスに必要な動き“スピード”を手に入れるには

テニスに必要な動きの“スピード”。
大きな動きが必要となるスポーツにはこのスピード=瞬発力が求められます。

テニスで有名なトッププロ、ロジャー・フェデラーやラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチは素晴らしい瞬発力を発揮し、
その持ち前のスピードを活かした攻守で絶妙なプレーを見せてくれます。

彼らはオフェンス(攻撃)中は相手の力のないショットに対して素早くステップを踏んで近づき、
ディフェンス(守り)時には相手のパワフルなショットを追いかけてベースライン際へと疾走します。

それだけではなく、彼らは一瞬で守備的な状況から攻撃に転じるスピード感を持っています。

ただ、この驚くべきことにテニスのプレーが俊敏な人はスピードだけではなく「コーディネーション」と呼ばれる協調性やバランス・アジリティ(敏捷性)や柔軟性も持ち合わせています。

プロの選手でなくてもテニスに必要な“スピード”を一般プレーヤーも目指すことができるのでしょうか。

①加速と原則をするために必要なこと

スピードはテニスの中で基本的な要素となります。
そしてスピードはその中でも2つのものに分けられます。

1つはスプリント技術。
これは多くのスポーツにも必要なこととなりますが、「走り方」を知ることでスピードを上げる能力を活用することができます。

テニスにおいてのスプリント技術は他と違い、少し特異なものとなります。
なぜなら比較的狭いテニスコートの中でトップスピード(最大に早く走れる速度)になるには距離が短すぎるからです。

さらにテニスはラケットを持って走ったり動いたりするスポーツの上に、直線スピードで走る競技ではありません。
そこで必要なのが多方向への加速と減速になります。

この加速と減速をするためにはパワーを使わなければなりません。
コート上で加速したり減速するパワーを生み出すには、パワフルで安定した機動力、調整力が必要になります。

そしてそのパワーの大きさ、機動力、調整力をバランスよく取れた状態に保たなければなりません。

そのためにはボールのスピード、軌道(スピンやスライスなど)と相手の体勢など次のショットを予測することが重要な要素となります。

②テニスの際には“身体の意識”が必要

フットワークの専門家曰く、フットワークの中で基本的な動きは「攻撃が3つ」、「守りが2つ」「ラリー(続けること)が2つ」の7つに分かれるそうです。

ただ、この7つの基本的な動きを常に完璧にこなすことは難しいです。
テニスをしている間、私たちはいつもこの身体の動きを意識することが必要となります。
そしてその動きを意識するうえで重要なのが『重心』になります。

自分の身体、身体のポジションを意識できれば、不要な無駄な動きを最小限にとどめることができます。
このように体のポジションや重心をテニスの練習中に意識することでフットワークの質が上がります。

もし不要な動きをたくさんしているとすれば、バランスを失い無駄なステップでエネルギーを浪費してしまいます。
世界のトッププロ選手も身体のポジションや重心に意識を持ち、効果的に動くようプレーしています。

③フットワーク・アイ・コーディネーション

フットワーク・アイ・コーディネーションとは足と目の協調性のことになります。

テニスは攻撃的なプレーをするとポイントが簡単に取れそうな気持になりますが、実は高いレベルで守備的なテニスができるほうが長い目で見るといいとされています。

ではそのアイ・コーディネーションのためにできる練習にはどんなものがあるのでしょうか。

1.相手の身体を見る
最初は相手の身体を見るようにしましょう。
バランスは崩していないかな?
崩している場合は相手の身体の重心が後方にあったり、傾いたりしている状態にあります。
相手はポジションに入れているかな?遅れていないか?
タイミングが早いのか、遅いのか。
そしてそこから自分のラケットがボールの来るタイミングに合うのかどうかなどを考えることができます。

2.相手の腕と手首を見る
相手のラケットが回転しているのか(スピン・スライスなど)。
相手はストライクゾーンでボールを捉えているのか、あるいは傾いているのか?

ショットの際の音にも注意して相手がしっかり打ってきたのかそうでなかったのかを見極めるのもいいかもしれません。

3.ボールが相手のラケットから離れる瞬間を見る
相手の打ったボールがどの方向に向いてくるのかのだいたいの予想をし、そのボールに追いつくために必要な自分の走る速度も考えていきましょう。

それぞれの個性からテニスを意識する

さて、いろいろな方法をご紹介しましたが皆さんはそれぞれ得意不得意があり、個性も様々です。

もとより瞬発力を大いに発揮できる人や持久力に長けた人、相手の動きを予想するのが上手かったり、直感で動けるなんて方もいます。

たとえそれが苦手だったとしてもほんの少しテニスの練習に意識することで今までと違った発見をすることができます。

ジョイナス北野田テニススクールでは各コーチごとにそれぞれのレッスンテーマを設け、押し付けではない「やってみようか」「参考にしていただければ」といった形でレッスンを提供しています。

私はスタートがすぐに切れないから‥
僕はバランスを取るのが苦手だから‥

そんなお悩みがあっても大丈夫です。
テニスの中で意識を少し持つだけで生活の中でも必要な体の動きが向上し、「あれ、前より体が動きやすくなったかも」と感じることがあるかもしれません。

定期的に体を動かすこと。
そしてほんの少しでも自分の身体の意識を上げていくこと。

今月もテーマに沿った、無理のない自分のテニスを楽しんでいきましょう。